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第19回日本精神医学史学会 プログラム 

第19回日本精神医学史学会のプログラムをお知らせします。
なお、会期および会場は以下のとおりです。
 会期:2015 年11 月7 日(土)、8 日(日)
 会場:東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー 23階
     (http://www.shinjukuparktower.com/access/



プログラム1日目(11月7日 土曜日)

大会長挨拶 8:55-9:00

一般演題セッションA 9:00-10:20 

座長:生田孝(聖隷浜松病院 精神科)

A-1 わが国最古の精神病院といわれる新潟県・鵜森狂疾院誕生の時代的背景について 第一報 -漢方と宗教の視点からの考察- 安達寛人、後田穣、棚橋ひろみ(新潟県立看護大学)
A-2 わが国最古の精神病院といわれる新潟県・鵜森狂疾院誕生の時代的背景について 第二報 -社会情勢と生活様式の変化の視点からの考察- 棚橋ひろみ、後田穣、安達寛人(新潟県立看護大学)
A-3 金沢の精神病者保養所 中村治(大阪府立大学人間社会学部)
A-4 薬物療法の歴史から見えてきたもの 滝上紘之(桜ヶ丘記念病院、慶應義塾大学医学部精神・神経科)

一般演題セッションB 10:25-11:45 

座長:加藤敏(小山富士見台病院)

B-1 記述精神病理学の心身論を振り返る 熊崎努(虎の門病院分院精神科)
B-2 磁気術の理論的可能性:拡張と自律 北垣徹(西南学院大学)
B-3 エルンスト・ヴァイス『私という目撃者』とヒトラーの言説 高砂美樹(東京国際大学人間社会学部)
B-4 ドゥルーズの『意味の論理学』における欲動の力動論について 鹿野祐嗣(早稲田大学、日本学術振興会)

昼休み 11:50-13:00

総会 13:00-13:30

一般演題セッションC 13:30-14:50 

座長: 山岸洋(北野病院)

C-1 香川修庵『一本堂行余医言』巻5考 上宇都ゆりほ(聖学院大学)
C-2 宗教の次元から精神医療をmorphallaxisする可能性 ―ハインロートが基盤としたドイツ古典哲学を起源とする脱分化再構成への道― 濱田覚(京都大学大学院 教育学研究科)
C-3 シューラン神父の精神の変容を通して見えるもの― 悪魔はどこに去ったのか 加藤誠(桜ヶ丘メンタルクリニック)
C-4 精神医学史における精神病治療の宗教的役割―天台密教を中心として― 石塚美樹(福島県立医科大学医学研究科)

特別講演 15:00-15:50 

座長:古茶大樹(慶應義塾大学医学部 精神・神経科)

ウェルニッケとその弟子たち -多彩な精神医学的認識の源流 松下正明(東京大学名誉教授)

メイン・シンポジウム「聖なるもの」 16:00-18:00 

座長:濱田秀伯(慶應義塾大学医学部精神・神経科 おおてまちメンタルクリニック)、大宮司信(北翔大学 教育文化学部)

MS-1 基調講演 聖なるものの精神病理 濱田秀伯(慶應義塾大学医学部精神・神経科 おおてまちメンタルクリニック)
MS-2 「聖なるもの」の奈辺 松田真理子(京都文教大学 臨床心理学部)
MS-3 「 聖なるもの」・二つの相貌  − バッハとモーツァルトの響きは語る – 丸山桂介
MS-4 ゴシックとは何か – 地方から都市へ、聖なるものの流入 酒井健(法政大学文学部哲学科)

懇親会 18:10-20:00 (同じフロアですので、場所の移動はありません)



プログラム2日目(11月8日 日曜日)

一般演題セッションD 9:00-10:20 

座長:鈴木國文(名古屋大学 医学部保健学科)

D-1 フロイトとロマーニズ 井上卓也(京都大学大学院 人間・環境学研究科)
D-2 古澤平作の「通信分析」について 生田孝(聖隷浜松病院 精神科)
D-3 ウィーン大学神経学研究室における日本精神医学史 ライトナ・ベルンハルト(ウィーン大学東アジア学科日本学)
D-4 日本の精神医学史:米との比較文化的観点より 中久喜雅文(東京サイコセラピーセンター)

一般演題セッションE 10:25-11:45 

座長:新宮一成(京都大学大学院 人間・環境学研究科)

E-1 アロイス・アルツハイマーの遺産―没後100年を迎えて― 松下正明(東京大学名誉教授)
E-2 ミッシェル・フーコーのフィリップ・ピネル批判を巡って(Ⅱ) 高橋豊(中央大学)
E-3 J.Grasset(1849-1918)の業績と人物 小泉明(港北病院)
E-4 1830年代のヨーロッパの精神科病院―Albert Zellerの視察旅行日記に見る 山岸洋(北野病院)

昼休み 11:50-12:50

一般演題セッションF 12:50-14:10 

座長:兼本浩祐(愛知医科大学 精神科学講座)

F-1 心理療法における心的イメージとしての「マンダラ」(1) 若山須賀子(児玉教育研究所 心理療法センター)
F-2 ヒステロ・エピレプシーの断層 吉川順(吉川記念病院精神科)、細川清(吉川記念病院精神科、原尾島クリニック心療内科)
F-3 『津川武一日記』に見るイタコ研究における着想と方法 関谷修(津軽保健生活協同組合 藤代健生病院)
F-4 日本の子育てをめぐる問題への対応についての歴史(2) -古代- 中山浩(川崎市こども家庭センター 児童精神科)

一般演題セッションG 14:15-15:15 

座長:古茶大樹(慶應義塾大学精神・神経科)

G-1 金沢学会(1969年)とはなんだったのか 岡田靖雄(青柿舎、精神科医療史資料室)
G-2 精神科医・式場隆三郎と戦争 風野春樹(東京武蔵野病院)
G-3 戦前戦中期における日本の精神分析の実際 国際精神分析学会仙台支部会員による事例の検討から 西見奈子(白亜オフィス)

シンポジウム「戦争と精神医学」 15:25:-17:25 

座長:鈴木晃仁(慶應義塾大学経済学部)

S-1 戦争神経症と近代性-精神疾患はいかにして戦闘と関連づけられたのか- 高林陽展(清泉女子大学)
S-2 戦争と精神疾患の「公務起因」をめぐる政治―日本陸軍における戦争神経症と
傷病恩給に関する考察を中心に― 中村江里(関東学院大学)
S-3 傷痍軍人武蔵療養所と戦後精神医療―国立精神・神経医療研究センター所蔵資料の分析と考察― 後藤基行(国立精神・神経医療研究センター)
S-4 講演 戦争神経症と戦後の神経症 -精神科医の半世紀の経験から 目黒克己(医療法人高仁会顧問) 司会:中村江里(関東学院大学)

以上

第19回日本精神医学史学会 大会長挨拶 

ご挨拶

第19回日本精神医学史学会は新宿、都庁のすぐそばで開催されます。大会を運営するにあたって、会場費をできるだけ安くできないかということと、一つの会場ですべての演題を聴けるようにしたいと考えました。「歴史」という言葉のイメージとはおよそかけ離れた高層ビルのワンフロアですが、そのような趣旨でアレンジしました。この学会は精神医療関係者だけでなく、歴史学・社会学をはじめとする様々な学問分野の方々が集う珍しい学会です。歴史は、それをどのように語るのかで、様々な解釈があるはずです。立場が違えば、見えてくるものもまた違う。分野の違う方々の様々な発表から、みなさんそれぞれが、新たな視点を学びとっていただけたらと思っています。

メイン・シンポジウム「聖なるもの」は、濱田秀伯理事長からのご提案で、今後の学会の方向性を広げてゆく一つの試みとして企画しました。鈴木晃仁先生からは、シンポジウム「戦争と精神医学」を企画していただきました。こちらは、この学会ならではのテーマです。特別講演は、松下正明先生にお願いしました。テーマは先生にお任せしましたが、ウェルニッケを取り上げていただくことになりました。現代精神医学が脳科学へと大きく舵を切り始めている中で、ウェルニッケ再評価という展開もあるのかもしれません。「ウェルニッケとその弟子たち―多彩な精神医学的認識の源流」もたいへん楽しみであります。

大会長として非常に嬉しかったことは、たくさんの一般演題が集まったことです。初めてこの学会で発表される方、久しぶりに登壇される方もいらっしゃいます。一つの演題が20分ですが、かなりタイトなスケジュールとなりました。みなさんのご発表時間を確保することを優先させていただきました都合で、会長講演は割愛させていただきました。懇親会も同じフロアで開催します。高層ビルから見る都心の夜景も楽しめますので、ぜひご参加ください。

第19回 日本精神医学史学会
大会長 古茶大樹